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什器の役割とは?種類による用途の違いや選び方を徹底解説
新しい店舗を出店する方やオフィスを構える予定の方の中には、「什器を導入したいけど、どう選べば良いのかわからない」と思う方も多いのではないでしょうか。
什器はビジネスを左右する重要な要素であり、設置する什器次第で店舗イメージや商品の見栄え、従業員の作業効率などが大きく変わります。業務運営に見合った什器を選ばないと、企業全体での損失を生んでしまう可能性があります。
この記事では、小売店や飲食店、オフィスなど場所ごとの什器の選び方や、既製品とオーダーメイド、レンタルのメリット・デメリットなど、店舗・オフィスに適した什器導入のための基礎知識を紹介します。ぜひ什器導入の際の参考にしてください。
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什器とは?家具との違い
「什器」とは、日常的に使用する器具や家具をさす言葉で、読み方は「じゅうき」です。什器と家具の違いは使用場所にあり、一般的にはお店や飲食店などの商業的な場所やビジネスの場で使われる備品や道具をさします。
ただし、オフィスのデスクやイスは「オフィス家具」と呼ばれることもあるように、什器は「日常的に使用する器具や家具」の意味もあり、家具と重複する部分もあります。
大まかに、什器は商業的な施設・場所で使うもの、家具は家庭で使うものだと考えれば良いでしょう。
什器の種類
什器の種類を、以下のとおり3つの使用場所ごとに分けて解説します。
- 小売店什器
- 飲食店什器
- オフィス什器
それぞれの什器が果たす役割や、具体例も紹介します。ぜひ参考にしてください。
小売店什器
小売店用の店舗什器は、商品の陳列・演出や販促効果アップのために使用されるものです。代表的な什器の一例には、以下があります。
- 商品陳列棚
- 平台ワゴン
- 商品を掛けるフック
- カウンター
- レジ台
- ストッカー
また、商品陳列用の棚には、可動式の棚を用いて様々な陳列方法に対応できる「ゴンドラ」や、高級な商品を展示するための「ショーケース」など、特徴的な什器も多く存在します。
さらに、アパレル店の場合は、商品を魅力的に見せるためのマネキンや、試着室・ミラーなども什器に含まれます。
飲食店什器
飲食店用の什器には、厨房でスタッフが使用する冷蔵庫、調理器具などの設備と、店舗利用者が使用するテーブルやイスなど家具類があります。具体的には、以下のとおりです。
- 厨房設備
- 冷蔵ケース
- 食器棚
- 調理器具
- 食器
- テーブル
- イス
- サンプル台
- レジ台
食器やメニュー立て、呼び鈴などの小物類も什器の一種です。また、業態によって什器の種類も異なり、例えば、カフェであればコーヒーマシン、ラーメン屋であれば大きな寸胴鍋などが該当します。
オフィス什器
オフィス什器は、従業員がオフィスで業務を行う際に用いる備品をさします。代表的なオフィス什器は以下のとおりです。
- デスク
- イス
- パーティション
- キャビネット
- ホワイトボード
- 応接セット
- ウォーターサーバー
オフィス什器には、業務に必要不可欠なデスクなどの備品だけでなく、業務効率を上げるために設置される備品や、来客者が使用するソファやローテーブルなども含まれます。
什器を選ぶポイント
先ほどの見出しで紹介したとおり、大きく3種類に分かれる什器ですが、選ぶ際に気を付けたいポイントが3つ存在します。
- 用途に合ったもの
- 安全性
- 使いやすさ
店舗・オフィスの形態や業態、コンセプトなどによっても選ぶべき什器は異なります。什器は一度購入すると簡単に取り換えられません。
選ぶ際には、以下で紹介するポイントを押さえ、後悔しない什器を選びましょう。
用途に合ったもの
什器は、用途にあわせて選ぶ必要があります。当然、どの場所で使う什器なのかによって見るべきポイントが異なります。
先ほど紹介した以下3種類の什器ごとに、どのようなポイントで什器を選ぶべきか、詳しく解説します。
- 小売店什器
- 飲食店什器
- オフィス什器
小売店什器
小売店の什器を選ぶ際には、「商品の魅力を引き立てられるか」が重要です。什器自体が主張しすぎる派手なデザインでなく、店舗の雰囲気に自然に馴染むシンプルなデザインが好ましいでしょう。
商品のコンセプトや店舗のテーマ、陳列方法や量にあわせて、什器のデザインや仕様を選ぶことが大切です。
飲食店什器
飲食店でも、小売店と同様に店舗のコンセプトや商品(提供メニュー)にあわせて什器を選びましょう。
例えば、テーブルやイスの場合、中華料理店ならオーソドックスな中華風デザインのもの、高級レストランなら特別感を演出するデザイン性の高いテーブルやふんわりとした重厚感のあるイスなどを選ぶと雰囲気にマッチします。
飲食店の什器選びの際に気を付けたいのは什器の大きさです。飲食店では従業員が店内を頻繁に行き来するため、ホールに大きすぎるテーブルを置いたり、テーブルやイスを必要以上に詰め込んだりすると従業員の動線を妨げてしまいます。
また、キッチンに置く什器は提供するメニューに応じて適切に選ぶ必要があります。
例えば、調理済みの食材をメインに提供するならば食材を保管する冷蔵設備を充実させ、火を使う調理が多い場合はガス台の数を増やすなど、提供メニューに合った什器を選びましょう。
オフィス什器
オフィス什器を選ぶ際は、従業員の作業効率向上を図るために機能性を重視しましょう。
いくら什器自体のコストが低くても、従業員にとって使いづらい什器では生産性が落ちてしまい、全体で見ると損失になりかねません。
例えば、フリーアドレスのオフィスでは、キャスター付きでレイアウト変更に対応できるデスクや、連結可能でサイズを調整できるデスクを導入すると良いでしょう。
紙の書類や備品を多く扱う職場では、収納力はもちろんのこと、取り出しやすさを考えて視認性の高い窓付きのキャビネットなどを用意すれば、事務の生産性が向上します。
従業員の働き方や職場の特徴を踏まえて、状況に合ったオフィス什器を選びましょう。
安全性
什器には安全性も欠かせないポイントです。什器が倒れやすかったり、重量に耐えられず商品が落ちやすかったりすると、従業員や顧客にケガを負わせるリスクが高まります。
取り扱う商品や用途にあわせた什器を選ぶだけでなく、什器が床や壁に固定できるかどうかなど、安全性の確認も重要です。
また、ジュエリーや時計など高級品を扱う店舗の場合は、鍵付きのショーケースなどで盗難防止対策を強化して、防犯面でも安全性を確保しましょう。
使いやすさ
什器はデザインも大切ですが、使いやすさも重視すべきです。どのような什器が使いやすいかは店舗タイプによって異なりますが、移動がしやすい什器は多くの場所で役立ちます。
例えば、飲食店では一人でも運びやすいサイズ・重さのテーブルなら移動作業の効率が高まります。小売店でも一人で運びやすい什器なら、レイアウト変更しやすいでしょう。
重さ以外にも高さや幅、素材など、店舗ごとに使いやすい什器の要素は異なります。業務の効率を高めるためにも、導入する前に什器の使いやすさをしっかりシミュレーションしましょう。
什器の発注方法は3種類
前の見出しでは什器を選ぶポイントを説明しましたが、什器を実際に発注するには以下3種類の方法があります。
- 既製品をオーダーする
- オーダーメイドで製作する
- レンタルする
それぞれの発注方法の特徴や、メリット・デメリットを解説します。事前に理解した上で発注方法を決めれば、より効果的に店舗運営に役立つ什器を選べるでしょう。
既製品をオーダーする
既製品の什器はオーダーメイド品と比較してコストが低い特徴があります。一般に様々なサイズが展開されているため、ほとんどの店舗に対応が可能でしょう。
しかし、デザインが最初から決まっているため、店舗の個性を出しにくい点はデメリットです。
オーダーメイドで製作する
オーダーメイドの什器は、その店舗専用にデザインし、ブランドのオリジナリティを前面に表現できる什器です。既製品では空間にマッチしなかったり、商品のサイズに対応できなかったりする場合に選ぶべき発注方法です。
オーダーメイド品のデメリットは、他の方法に比べてコストがかかる点です。
店舗のオリジナリティを演出しつつコストを抑えたい場合は、全てをオーダーメイド品にするのではなく、店舗の主要部分にのみ使用し、その他の場所は既製品を併用する手もあります。
レンタルする
什器にはレンタルする選択肢もあります。レンタルでは初期費用を抑えられるだけでなく、メンテナンスや搬入・搬出も全て業者が行う場合が多く手間を減らすことができます。
長期間使い続ける場合は購入の方がコストを抑えられますが、数ヶ月のみの期間限定店舗など短期間の使用では、什器を購入するよりもレンタルした方が安く済む場合が多いです。
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什器の導入方法や選ぶポイントは様々あり、実際に担当者から話を聞かないとイメージしづらい部分もあります。
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<大阪展>会期:2025年8月27日(水)~29日(金) 10:00~17:00 会場:インテックス大阪
<東京展>会期:2025年12月10日(水)~12日(金)10:00~18:00(最終日のみ17:00終了)会場:東京ビッグサイト
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什器は用途に合ったものを選ぼう
什器の基礎知識や選び方、発注方法を紹介しました。什器選びでは、使いやすさや安全性、店舗やオフィスの用途に合ったものを選びましょう。
什器選びを誤ると、従業員の作業効率が低下するなどマイナス面が生じる場合もあります。什器は一度選ぶと簡単には交換できないので、しっかり検討して導入しましょう。
また、店舗やオフィスに什器を導入しようとしている方は、JAPAN BUILD「商業施設・店舗DX展」への来場をぜひご検討ください。
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監修者情報
千本 隆司
中小企業診断士、リテール・マーケティング販売士検定1級。中小企業専門のマーケティング・財務コンサルタント。(株)ビジョン経営東京 代表取締役。メーカー・卸会社での流通・物流管理や財務職、および外資系コンサルティング会社での顧客業務改善を経験した後、現職。全国の商工会議所などでのビジネスノウハウに関する講演実績は200回以上。