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ウレタン塗装の基礎知識を解説!
外壁塗装に使われる塗料の種類やメリット・デメリット
ウレタン塗装は、外壁塗装などに使われる塗装方法です。ウレタン塗装を仕事で行うなら、特徴や他の方法と比較した場合のメリット、デメリットなどを深く理解した上で選択する必要があります。
この記事では、ウレタン塗装の基礎知識を解説します。使われる塗料の種類や、ウレタン塗装のメリットやデメリットを紹介するので、住宅や建築物などの塗装に関わる仕事をしている方はぜひ参考にしてください。
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ウレタン塗装とは
ウレタン塗装とは、ウレタン塗料を使って表面を保護する塗装方法です。ウレタン塗料は、合成ゴムや断熱材などに使われるポリウレタンがベースです。
一般的に、塗料は顔料や樹脂、添加剤、水または溶剤で構成されます。樹脂がウレタン素材であれば、その塗料はウレタン塗料と呼ばれます。
ウレタン塗装を行うと、表面が樹脂膜で保護されてツルツルになるのが特徴です。
ウレタン塗装に使われる塗料の種類
ウレタン塗装に使われる塗料には、いくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解することで、適切なものを選べるでしょう。
以下では水性と油性、1液型と2液型のウレタン塗料について解説します。
水性塗料と油性塗料
ウレタン塗装に使われる塗料は、水性塗料と油性塗料に分けられます。
水性塗料は水で薄めて使う塗料で、価格が安いのがメリットです。希釈にシンナーなどの溶剤を必要としないので、塗料の臭いも強すぎず、室内や集合住宅街などでも比較的扱いやすいでしょう。
しかし、水性塗料は油性塗料に比べると硬化までに時間がかかり、耐久性が低いのがデメリットです。ウレタン塗料の魅力である光沢も、油性より水性のほうが落ちやすいため使うシーンはよく考える必要があります。
油性塗料は、シンナーなどの有機溶剤で希釈して使います。水性塗料よりも耐久性が高いので、光沢を長期間保てるのがメリットです。
ただし、水性塗料より高価なので、コストは高くなりやすいです。また、希釈に使うシンナーは有害物質なので、屋内利用時は適切に換気を行い、子どもが触れないように注意深く管理しなければなりません。
希釈にシンナーを使うと、強い臭いが数日間残るのもデメリットです。室内や集合住宅街などで油性塗料とシンナーを使うと、周囲から苦情を受ける可能性があります。
1液型と2液型
ウレタン塗装に使われる塗料は、1液型と2液型に分類されます。
1液型の塗料は、主剤となる1缶のみを使用するタイプです。他の塗料と混ぜる必要がないため、手間や作業工程を少なく抑えられます。
1液型の塗料は比較的安く手に入りますが、耐久性は2液型よりも劣る傾向があるため、使用シーンはよく考えなければなりません。
一方、2液型の塗料は塗料缶が主剤1缶と硬化剤1缶の合計2缶あるタイプです。主剤だけを塗っても乾燥しないため、必ず硬化剤を組み合わせなければなりません。
2液型は1液型よりも価格が高く、正確な混合が求められるため、取り扱いが難しいのがデメリットです。ただし、1液型に比べて2液型は耐久性が高く、塗料が速やかに固まります。
ウレタン塗装のメリット
ウレタン塗装はメリットが豊富なため、外壁塗装で長く主流でした。なぜウレタン塗装が選ばれていたかを知るために、代表的なメリットを確認しましょう。
費用を抑えて塗装できる
ウレタン塗装のメリットは、コストを抑えて塗装ができる点です。ウレタン塗料は広く普及しているため、安価な価格で購入できます。
外壁や床材など、面積が広い場所に塗装するとコストも高くなりやすいです。予算を抑えたいお客さまには、現在もコストを抑えられるウレタン塗装を提案するケースがあります。
希望どおりの光沢を出せる
ウレタン塗装は、お客さまが希望したとおりの光沢を出せるのもメリットです。
ウレタン塗装は、美しい光沢により高級感を出せる塗装方法として知られています。光沢の度合いを選び、お客さまの好みにあわせて仕上げることも可能です。
高級感を演出したい場合はしっかりと光沢を出す、ナチュラルに仕上げたい場合は光沢を控えめにするなど、塗装方法によって仕上がりが大きく変わります。ツヤを出さないマットなウレタン塗料もあるため、幅広いニーズに対応できるでしょう。
ひび割れや傷に強い
ウレタン塗装を行うと、ひび割れや傷に強くなるのもメリットです。
ウレタン塗料には樹脂成分が含まれているため、塗装すると弾力性を発揮します。木材は空気中の湿度に応じて伸縮する性質を持ちますが、ウレタン塗装をすれば伸縮にも柔軟に対応できるので、塗装面にひび割れが起こりにくいです。
また、厚みのある塗膜によって木の表面を保護できるため、擦り傷に強くなるというメリットもあります。
ウレタン塗装のデメリット
ウレタン塗装が広く使われてきたのは、先述のとおり様々なメリットがあるからです。
しかし、現在ウレタン塗装は主流ではありません。その理由は、以下で紹介するデメリットがあるからです。
シリコン塗料など他の塗料より耐久性が低い
ウレタン塗装は、他の塗料を使った塗装方法より耐久性が低いのがデメリットです。
ウレタン塗料は紫外線の影響を受けやすいので、直射日光が当たる屋外では変色が進みやすいです。黄色く変色したウレタン塗料の皮膜は、見た目も美しくありません。
変色した場合、一度剥がして塗装し直さなければ色は元に戻りません。塗装直後の美しい状態が長く続かないのは、デメリットでしょう。
割高になりやすい
ウレタン塗装はコストを抑えられるのがメリットである一方、耐久性の低さを考えると割高になりやすいのがデメリットです。
ウレタン塗料の価格は安いものの、耐久性が他の塗装方法よりも低いので、塗装回数が多くなります。
シリコン塗料のように10年以上もつ塗料がある一方、ウレタン塗装は10年もたないケースもめずらしくありません。劣化が早いと塗り直す回数が多くなり、結果的に費用がかさみます。
ウレタン塗装は現在、長期的にかかるコストではなく、初期費用を抑えたい方向けの選択肢とされています。
木材の質感を感じられない
木材の質感を感じられなくなるのも、ウレタン塗装のデメリットです。
ウレタン塗装をして木材をコーティングすると、手で木材に直接触れることはできなくなります。樹脂のツルツル感を感じられる一方で、木材特有の質感は感じられません。
木材の温かみを目だけでなく肌でも感じたいお客さまに対しては、ウレタン塗装以外の方法が適している可能性も考えられます。お客さまの希望を聞き、ウレタン塗装をするべきかどうかを判断しましょう。
現在の外壁塗装はウレタン塗装よりシリコン塗装が主流
現在は、ウレタン塗装よりシリコン塗装を用いるシーンが多いです。
ウレタン塗料は従来使われていたアクリル塗料よりも耐久性が高く、ツルツルとした光沢のある仕上がりになるため、外壁塗装でも広く使われていました。しかし、現在はより耐久性が高く、価格も抑えられるシリコン塗料が主流です。
価格を抑えて長持ちする外壁塗装をしたい方には、シリコン塗装がおすすめです。
ウレタン塗料が向いているケース
現在、主に用いられているのはウレタン塗装ではなくシリコン塗装ですが、ウレタン塗装が向いているケースは存在します。
以下のケースでは、ウレタン塗料が向いている可能性があるため、お客さまと相談しましょう。
- 予算があまりないけれど、速やかに塗装が必要な場合
- 10年以内に取り壊すなど、あまり長く使わない建物に塗装する場合
- 雨どいなどの付帯部だけ塗装したい場合
長期的に考えると、ウレタン塗装は耐久性の低さによるコストパフォーマンスの悪さが気になります。しかし、短期間や一部分の塗装であればウレタン塗装の耐久性でも十分です。
シリコン塗装など他の塗装方法と組み合わせれば、費用を抑えることも可能です。お客さまの要望にあわせて、適切に提案できるようにしましょう。
ウレタン塗料などの製品を比較するなら
JAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」へ
ウレタン塗装には多数のメリットがあるため広く普及していましたが、現在外壁塗装などではシリコン塗装が主流です。とはいえ、ウレタン塗装も組み合わせ方によっては効果的な場合があります。
仕事で場面に応じた適切な塗料を選択できるように、ウレタン塗料だけでなく、様々な塗料の特徴を知って使用したいと考えている方もいるでしょう。そのような場合は、JAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」へ足を運んでみてください。
JAPAN BUILDの「【高性能】建材・住設 EXPO」は、構造材や断熱材、床材、外壁材、屋根材、建築金物、工具などの製品やサービスが出展する展示会です。
住宅メーカーや設計事務所、工務店、建設会社、リフォーム会社など、建材や住宅設備に関わる企業が幅広く来場します。
毎年2回東京と大阪で開催され、併催のセミナーでは業界の動向や各社の取り組みについて知ることができます。
塗料を扱っている企業も出展しているので、製品を比較検討し、仕事に使えそうなものを新たに入手できる可能性があります。
2024年の東京展には、塗料用樹脂や各種コーティング・バインダー樹脂などのケミカル素材を提供する株式会社日本触媒や、遮熱や断熱に優れた塗料などのユニークな製品を取り扱う関西ペイント株式会社、樹脂素材の研究開発や工法の創出を行う日本高強度環境調和型樹脂技術協会などが出展しました。
また、2024年の大阪展には、塗料に関する情報の収集や提供、調査研究を行う一般社団法人日本塗料工業会や、遮熱や防水に優れた塗料を扱うブライトン株式会社などが出展しました。
塗料について詳しく知りたい方や、実際に製品を見てみたい方は、以下の日程で開催される「【高性能】建材・住設 EXPO」に参加してみてください。
JAPAN BUILD「【高性能】建材・住設 EXPO」の詳細はこちら
出展をご希望の企業様は、こちらもあわせてご確認ください。
JAPAN BUILD「【高性能】建材・住設 EXPO」の出展について詳細はこちら
【展示会 開催情報】
<大阪展>会期:2025年8月27日(水)~29日(金) 会場:インテックス大阪
<東京展>会期:2025年12月10日(水)~12日(金) 会場:東京ビッグサイト
【出展検討の方】
簡単1分で資料請求できます!
展示会パンフレット、
出展料金、会場レイアウトなど
ウレタン塗装や塗料を理解して、適切に選べるようにしよう
ウレタン塗装は塗料のコストを抑えて多様な光沢を出せるため、広く普及しました。現在の主流はシリコン塗装ですが、組み合わせ方によっては今もウレタン塗装が十分使われています。
ウレタン塗料やその他の塗料を比較検討し、適した製品を使用したいと考えている方は、塗料を取り扱う会社も出展しているJAPAN BUILD「【高性能】建材・住設 EXPO」へ足を運んでみてください。
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監修者情報
野村 正樹 (のむら まさき)
(株)ローバー都市建築事務所 代表取締役
一級建築士 / インテリアコーディネーター / 宅地建物取引士 / 古民家鑑定士一級
同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。(株)NEO建築事務所を経て、2000年「ローバー都市建築事務所」設立。後に、京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。2006~2018年 毎日新聞京都版 朝刊「きょうと空間創生術」第1回~第274回執筆掲載。
ローバー都市建築事務所の公式ホームページはこちら
https://www.rover-archi.com/