スマートロックとは?
メリットやデメリット、種類、導入事例、選び方などを解説

スマートロックは利便性と防犯性の両方を向上させるシステムです。導入すれば自社の勤怠管理や防犯へのセキュリティが向上しますが、導入コストが発生し、トラブルが起きた時に備えて対策を考える必要があります。

そのため、スマートロックの導入を検討している企業の責任者さまはメリットやデメリットだけでなく、種類や導入事例、選び方などを知っておくと良いでしょう。

この記事では、スマートロックのメリットやデメリット、種類、導入事例、選び方などを解説します。また、スマートロックの相談や情報収集に役立つ展示会を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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スマートロックとは?


スマートロックとは、スマートフォンやICカード、暗証番号、生体認証などを使って、鍵の施解錠を行うシステムです。

従来の鍵に比べると利便性と防犯性が格段に向上しており、セキュリティの強化が求められる企業で導入が進んでいます。

また、鍵の紛失リスクの軽減や入退室記録の管理が簡略化できる点も特長です。

スマートロックのメリット


スマートロックはスマートフォンやICカードを使って鍵の施解錠を行えて、次のメリットが得られるためオフィスの効率化とセキュリティの両立を考えている企業におすすめです。

  • 鍵の紛失リスクが減る
  • 防犯性が向上する
  • スマートフォンで遠隔操作ができる
  • 施解錠の記録が残る

以下で詳しく解説します。

鍵の紛失リスクが減る

スマートロックは鍵の代わりに、スマートフォンやICカード、暗証番号、生体認証などを用いて鍵の施解錠を行います。

生体認証の場合であれば自分自身が鍵になるため、鍵を紛失することはありません。物理的な鍵を持ち歩いたり、いくつも用意したりする必要がなく、鍵の管理がしやすくなります。

また、種類によっては、スマートフォンをポケットやバッグに入れたままでも、自動で解錠するハンズフリー機能を備えています。

そのため、重たい荷物を持っている時や忙しい場面でも鍵を探す手間がなく、スムーズな入退室が可能です。

防犯性が向上する

スマートロックはドアが閉まると自動で施錠されるオートロック機能を備えている場合が多く、鍵の閉め忘れを防ぎます。

また、種類によりますが、鍵穴がないタイプならピッキングによる侵入を防げるでしょう。さらに、入退室の履歴を記録できるスマートロックもあるため、セキュリティレベルを高めたい企業に役立ちます。

スマートフォンで遠隔操作ができる

スマートロックは種類にもよりますが、鍵の解錠や施錠をスマートフォンで行えます。

専用アプリと連携すれば、解錠権限の付与や遠隔操作での解除が可能なので、一時的に取引先や関係者に解錠権限を与えたいケースやオフィス外からの解錠などに対応可能です。

物理的な鍵を渡す必要がなく、施解錠の履歴を後から確認できるため、利便性と防犯性を両立したい企業にとって魅力的なポイントになります。

施解錠の記録が残る

スマートロックは施錠や解錠の履歴を記録できるため、入退室の状況を後から確認できます。

誰がいつドアを操作したのかを正確に把握できるため、セキュリティ面での信頼性が向上し、不審な行動の早期発見にも役立つでしょう。

スマートロックのデメリット


スマートロックを導入すると、利便性と防犯性の向上を期待できます。

一方で、以下のデメリットが発生する可能性があるため、導入の際は注意しましょう。

  • コストがかかる
  • 締め出された場合の対応が必要になる
  • 充電切れのリスクがある

以下で詳しく解説します。

コストがかかる

スマートロックは商品にもよりますが、次のコストがかかります。

費用の種類

概要

工事費用

工事が必要なスマートロックを設置するための費用

初期費用

買い切り型のスマートロックの購入費用やシステムの保守費用など

運用費用

レンタル型のスマートロックの利用料

修繕費用

オフィスや施設を移転する場合の原状回復費用や修繕費用

実際の費用はスマートロックによって異なりますが、商品や機能に応じて数万円~十数万円程度かかります。さらに、買い切り型の場合はシステムの保守費用が、レンタルの場合は利用料が発生する可能性が高いです。

また、オフィスや施設が賃貸の場合、移転する際には原状回復費用、あるいは修繕費用が発生する点にも注意しましょう。

締め出された場合の対応が必要になる

スマートロックの種類によっては解錠のためにスマートフォンやICカードが必要です。

オートロック機能を持つスマートロックで、解錠に必要なスマートフォンやICカードを持たずに出てしまうと、自動で施錠されて締め出されてしまいます。

鍵を持たずに締め出される状況を「インキー」と呼び、スマートロックではよくあるトラブルです。

オフィスに社員がいるなら中から開けてもらえますが、不在の場合に備えてバックアップの解錠手段を準備しておきましょう。

充電切れのリスクがある

スマートフォンを持っていても、充電が切れていると意味がありません。オフィスを出る際は、スマートフォンの充電を確認するべきだと社員に伝えましょう。

また、スマートロック自体も電池切れする可能性があり、切れているとオートロックや遠隔解錠などができません。

定期的にデバイスや本体の電池残量を確認し、予備のバッテリーや物理キーを用意しておきましょう。

スマートロックの種類


スマートロックは利便性と防犯性の向上などのメリットを得られますが、導入コストやインキーなどのリスクも考慮しましょう。

また、商品によって取り付け方法が異なるため、以下のメリットやデメリットがあることもポイントです。

取り付け方法

概要

メリット

デメリット

貼り付けタイプ

既存の鍵に貼り付けて使用する

取り付けや取り外しが簡単

ドアや壁を傷つけない

衝撃で外れる可能性がある

テープ跡がドアや壁に残る可能性がある

シリンダー交換タイプ

既存の鍵部分を取り外すタイプ

しっかりと固定された鍵を設置できる

工事業者に依頼する必要がある

賃貸物件の場合、原状回復費用を請求される可能性がある

穴あけ工事タイプ

ドアに穴を開けて取り付けるタイプ

しっかりと固定された鍵を設置できる

穴を開けるので賃貸物件では導入できない

工事業者に依頼する必要がある

取り付けや取り外しが簡易なタイプを選ぶなら貼り付けタイプが、防犯性を重視するなら固定された鍵を設置できるシリンダー交換タイプや穴あけ工事タイプがおすすめです。

ただし、シリンダー交換タイプは賃貸物件だと退去時に原状回復費用を請求される可能性があり、穴あけ工事タイプは設置できない可能性があります。防犯性を重視して、シリンダー交換タイプや穴あけ工事タイプを取り付けたい場合は、事前に管理会社へ相談しておくと良いでしょう。

スマートロックを選ぶ際は、オフィス環境や利用用途に応じた取り付け方法を検討しましょう。

スマートロックの活用方法


スマートロックは取り付け方法によってメリットやデメリットが異なるため、オフィス環境や利用用途に応じた商品を選ぶことが重要です。

そのため、事前にスマートロックの活用方法や利用用途を明確にしましょう。以下で、スマートロックを実際に導入した企業や自治体の活用方法を解説します。

勤怠管理の自動化

従業員数が増加する急成長中のある企業では、従来の手打ちタイムカードによる勤怠管理が非効率となり、ミスや作業負担の増大が課題となっていました。

勤怠管理の課題を解決する手段として、スマートフォンやICカードによるスマートロックシステムと勤怠管理アプリを連携した自動化システムを導入したところ、入退室の履歴が自動でデータ管理されるため、正確で効率的な勤怠管理が実現しました。

また、個人情報保護の観点からも優れているため、管理者の作業負担が大幅に軽減されるだけでなく、従業員の満足度の向上も期待できます。

鍵の貸し出し作業の削減

ある自治体では、学校の体育館を地域住民に貸し出す際、従来は利用者が鍵を借りに行き、利用後に返却する方法が取られていました。

しかし、従来の方法では、利用者が貸出時間にあわせて窓口へと移動する手間が発生し、職員側も受け渡し対応に時間を割く必要がありました。

スマートロックを導入した結果、鍵の受け渡しや返却のプロセスが不要となり、利用者と職員の手間が減り、大幅な効率化が実現しています。

複数の拠点の入室を一括管理

ある企業では、事業所ごとに独立した入室管理を行っていましたが、従来の物理的な鍵では紛失や社員間での貸し借り、盗難などのリスクがつきまとう防犯面での不安が残ります。また、各拠点が個別に管理を行うと、担当者に大きな負担をかけている点も課題です。

課題解決のためにクラウド型の入室管理サービスとスマートロックを導入し、全拠点の入退室状況を一括で管理できるシステムを構築したところ、各拠点の負担が大幅に軽減されました。

また、施解錠の方法を顔認証システムにしたことで、社員が鍵や社員証を持ち歩く必要がありません。忘れても顔で出入りが可能なため、セキュリティの向上や業務効率の改善だけでなく、入退室時のストレスを緩和できます。

スマートロックの選び方


スマートロックは勤怠管理の自動化や作業の軽減、複数の拠点の一括管理などに役立つシステムです。

ただし、商品によって搭載されている機能が異なるため、選ぶ際は以下のポイントに注意しましょう。

  • 解錠方法
  • システムとの連携サービス
  • サポート体制

以下で、詳しく解説します。

解錠方法

スマートロックの解錠方法は複数あるため、利用用途やシーンにあわせて選びましょう。

解錠方法

概要

おもな利用用途

スマートフォン

専用アプリで解錠操作を行う

リモートでの解錠が可能

個人利用や出入りする社員が限定されているオフィス

ハンズフリー

解除キーを持っているだけで、自動で解錠される機能

荷物を持っての出入りが多い環境

マルチデバイス

ICカードやスマートウォッチなど、複数のデバイスでの解錠が可能

複数のデバイスを利用する従業員が多いオフィス

生体認証

指紋や顔認証で解錠する

セキュリティを重視する施設や研究所

暗証番号

数字を入力して解錠する

特定のデバイスや解除キーが不要

不特定多数が利用する施設や一時利用が多い環境

特定の人物のみが利用する施設ではスマートフォンやマルチデバイスを利用する方法が便利です。

一方で、不特定多数の利用が想定される施設では、デバイス不要で簡単に操作できる暗証番号が適しています。ただし、暗証番号が漏洩するリスクがあるため、セキュリティを重視する場合はそれぞれのデバイスや生体認証がおすすめです。

利用者の特性や利用頻度などを考慮して、最適な解錠方法を選びましょう。

システムとの連携サービス

スマートロックによっては外部のシステムと連携可能で、利便性や効率性をさらに向上できます。

例えば、勤怠管理システムと連携できるスマートロックを導入すれば、社員の入退室が自動的に記録され、出勤や退勤の状況がリアルタイムで把握可能です。

タイムカードの打刻や手動での記録が不要となり、管理業務の負担が大幅に軽減され、データの正確性が向上します。また、クラウド型のシステムなら複数拠点のデータを一括管理できるので、企業全体の運用効率の向上が期待できるためおすすめです。

サポート体制

スマートロックは利便性と防犯性に優れていますが、従来の鍵に比べるとシステムトラブルや操作ミスが起きる可能性があります。

例えば、デバイスの充電切れやネットワーク障害、設定エラーなどが発生すると、鍵の施解錠が行えず、入退室の記録が取れないかもしれません。

トラブルが長引くと不便なので、スマートロックを選ぶ際はサポート体制が充実しているメーカーの製品を選ぶことが重要です。

おすすめのスマートロック製品4選


スマートロックを選ぶ際のポイントは、解錠方法やシステムとの連携サービス、サポート体制の比較が重要です。

また、最新の商品に搭載されている機能や特徴を知っておくと、スマートロックを選ぶ際に役立つでしょう。

以下では、JAPAN BUILDの2024年東京展に出展された製品から、おすすめのスマートロック製品4選を順番に解説します。

スマートロックSL50|Akuvox Japan

Akuvox JapanのスマートロックSL50は161°の広角レンズと赤外線補光ライトを搭載しており、4インチの高解像度室内スクリーンと連携して、いつでもドア外の動きを確認できます。

解除方法は指紋やカード、パスワード、機械式キー、訪問者アプリなど様々な方法に対応しているため、設置したい施設や環境にあった方法を選ぶことが可能です。

「スマートロックSL50」について詳細はこちら

Smart IC Lock|マザーセキュリティ株式会社

マザーセキュリティ株式会社のSmart IC Lockは、独自の特許技術により既存のドアへの取り付け加工や接着が不要です。既存の鍵に加えて、手持ちの交通系ICカードを鍵として利用できます。

また、microSDスロットを搭載しており、設定した曜日や時間でセキュリティレベルを変更する機能や、解錠履歴データの抽出などが可能です。

「Smart IC Lock」について詳細はこちら

Smart DUAL Lock|マザーセキュリティ株式会社

マザーセキュリティ株式会社のSmart DUAL Lockは、Smart IC Lockにテンキーを搭載したスマートロックです。交通系ICカードの認証に加え、パスワード認証(任意設定、AI機能による自動生成)による「デュアル認証」設定により、セキュリティを強化できます。

さらに、別売のOPマルチリーダーにより、退出時もIC認証での解錠が設定でき、入退室履歴が自動的に記録されるので、個人情報を扱うエリアやサーバールームなどの重要な施設のセキュリティ対策として役立つでしょう。

「Smart DUAL Lock」について詳細はこちら

 

Glamo Smart Lock for LTE-M|株式会社グラモ

株式会社グラモのGlamo Smart Lock for LTE-Mは、携帯通信キャリアが提供するLTE-M回線に直接通信できる通信機能を搭載したスマートロックです。インターネット回線の設備がなくても、暗証番号鍵の発行や削除がリアルタイムに行えます。

また、遠隔で鍵の施解錠が確認できるため、現地に赴く必要がありません。さらに、鍵を紛失しても遠隔で即時削除や発行ができるため、住宅や物件の管理を行う不動産業におすすめのスマートロックです。

「Glamo Smart Lock for LTE-M」について詳細はこちら

 

スマートロックを比較したいなら
JAPAN BUILDの「スマートハウス EXPO」へ


スマートロックは鍵の施解錠の手間を減らして、導入すれば利便性と防犯性の向上が期待できるシステムです。

ただし、導入コストやトラブルへの対策が求められるシステムで、様々なメーカーから製品が出ているため、導入する際は性能や特徴を比較しましょう。

スマートロックの導入を検討し、様々な製品を比較したい方は、JAPAN BUILDの「スマートハウスEXPO」がおすすめです。

「スマートハウスEXPO」は、最新のスマートロック、IoT住宅設備、セキュリティ設備、HEMS、ホームネットワーク、ZEH設備などが出展し、住宅メーカー、設計事務所、工務店、リフォーム会社が来場するスマートハウスの専門展示会です。

毎年東京と大阪で年2回開催しており、併催するセミナーでは最新の業界動向や各社の取り組み、出展社の製品・事例紹介が行われています。

複数のメーカーの商品を一度に比較でき、見積もりや相談などが現地で行えるため効率的です。スマートロックの導入を考えている企業の責任者さまは、ぜひご来場の上、最新の情報を収集しましょう。

JAPAN BUILD「スマートハウスEXPO」について詳細はこちら 

最新のスマートロックを提供している企業は、自社をアピールでき新規顧客開拓に繋がるため、「スマートハウスEXPO」への出展をおすすめします。出展をご希望の企業様は、こちらもあわせてご確認ください。

JAPAN BUILD「スマートハウスEXPO」の出展について詳細はこちら

【展示会 開催情報】

<大阪展>会期:2025年8月27日(水)~29日(金) 会場:インテックス大阪

<東京展>会期:2025年12月10日(水)~12日(金) 会場:東京ビッグサイト

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スマートロックを導入して利便性と防犯性を高めよう


スマートロックは従来の鍵ではなく、スマートフォンやICカードなどで施解錠が可能なシステムです。従来の鍵に比べて利便性が高く、セキュリティ面の向上が期待でき、防犯性にも優れています。

また、商品によっては勤怠管理システムとの連携が可能なため、社員の入退室を自動記録して業務効率化を目指したい企業におすすめです。

一方で、メーカーによってスマートロックの性能や特徴が大きく異なるため、比較して自社のニーズに合った商品を選びましょう。

最新のスマートロックの情報を詳しく知りたい、あるいはスマートロックの導入を相談したい企業の責任者さまは、JAPAN BUILDの「スマートハウス EXPO」で情報収集してはいかがでしょうか。

また、最新のスマートロックを提供している企業の場合は、新規顧客開拓のために、ぜひ出展をご検討ください。

JAPAN BUILD「スマートハウス EXPO」について詳細はこちら

 


監修者情報

たろっさ

IT家電ライター

家電量販店、家電情報ブログ「家電損をしない買い方をプロの販売員が教えます」を運営するプロの家電ライター。学生時代から家電に対する並々ならぬ興味を持ち、アルバイトを経てそのまま家電量販店の道へと進んで15年弱。個人で年間2億円を売り上げ、数々の法人内コンテストなどで表彰された経験も。家電アドバイザーの資格を有し、家電と名の付く物全てに精通。家電で分からないことはなく、現在は家電ライターの業務を通して「すべての人が平等に良い家電に巡り会える機会の提供」に尽力。PCコーナー、携帯電話コーナーの責任者も歴任し、IT事情にも精通している。

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